TOEICのリスニング対策1番人気の勉強法!シャドーイングの効果を脳科学的根拠からわかりやすく解説!

TOEIC勉強法について「リスニング力上げるならシャドーイングが良いよ!」という言葉をよく聞くようになりましたね。

そう言う僕自身も、TOEICを受けると決めたらまず間違いなくシャドーイングを実践しますし、それだけでグッとリスニングのスコアが上がるのは体感出来ます。

しかしシャドーイングを行うことで、なぜ、どのようにリスニング力が向上していくのかはあまり自覚せずにやっている節はありますよね笑

「なぜ、どんな風にしてその勉強法が効果的なのか、納得しないと続かないよ…」という方も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、シャドーイングがなぜリスニング力をグッと高める効果があり、どんな過程で向上させていくのかをお伝えします!

この記事を読み終わる頃には、シャドーイングについてしっかりとメカニズムを掴み、その結果メカニズムを知らずにやっている英語上級者以上に効果を得ることが出来るようになりますよ!

目次

今更聞けない…!そもそもどんな勉強法なの?

シャドーイングはTOEICの勉強法としてかなり人気の高い勉強法です。リスニング音声を再生し、聞こえた英文を後から追うように自分の口から発話する…という勉強方法ですね。

言葉で説明するよりも実際にシャドーイングをしている様子を見る方がイメージしやすいので、とてもわかりやすく解説している動画がありますので参考にしてみてください↓↓

いかがでしょうか?
動画を観る感じ、結構つまりづまりで難しそうな印象を持たれたかもしれませんが、大丈夫です!

繰り返し実践する事でどんどん洗練されていくので、回数さえ重ねればしっかりと音声を後追い出来るようになっていきますよ!

また、詰まるたびに音声を戻せば良いので、自然と回数も知らないうちに重ねていく事が可能です。
苦難や苦労、忍耐のような感覚はなく「自分、頑張ってるじゃん!」というポジティブな感覚で進めることが出来る学習法ですよ。

さて、ここまでは中級者以上の英語学習者が実践している内容ですが、実はこの学習法、「シャドーイングがなぜ、どのようにして」リスニング力向上に貢献しているかについて知っている人はごく少数なんです。

さらに、その「なぜ?どのようにして?」を知っていると、それだけでシャドーイングをより効果的に出来るんです!

では、その上級者も知らないシャドーイングの「なんで?どうやって?」についてお伝えしていきますね!

ご存知でしたか?リスニングのメカニズム

シャドーイングの効果について知るには、まず人間がどのように言葉を聞いて情報を判断しているかについてお伝えする必要がありますね。

私たちの脳は、自分の知っているものしか認知することは出来ません。

「え?そんなわけないでしょw」
と思うかもしれませんね。

しかし、これはまぎれもなく事実なんです。

例えば、あなたがとても車好きだとしましょう。

そんなあなたは、道を歩いていると通りがかる車は、たいていどこのメーカーの車で、なんという種類の車かわかることでしょう。

「あれはトヨタのプリウスだな。」「あれは日産のスカイラインだ。」「お!フェラーリが通ったぞ!」「あぁスゴい!あれはマクラーレンの中でも日本に15台と無い車だ!」
という具合です。

しかし、車に興味の無い10代の女の子はどうでしょうか?
「普通の車が通ったな」「なんだか変わった形の車が通ったな」
くらいにしか思わないのではないでしょうか?

そう、同じものを見たり聞いたりしていても、人間の脳は自分の知っている範囲でしかそれを認識できないということです。

そしてこれは英語のリスニングにも言えることです。

TOEICのリスニング音声は、とてもキレイな発音で話されますが、その英語の発音を正しく理解していなければ、その時点においてはただの雑音でしかありません。

英語が全くの苦手分野な場合にリスニング教材を聴いても「なんか英語を話しているな~」としか感じないのはこのためですね。

その”雑音”が、「Apple」や「Eat」という単語を知ることで初めて「あの赤くて甘酸っぱい果物」「口を開けて噛みつきむしゃむしゃして飲み込む」という”情報”になる…というメカニズムになっています。

さて、ここまでの話だとただ「英単語を覚えましょう。」という話になってしまいますが、この話の趣旨はそこではありません。

皆さんも、リスニング問題を解いた後に、リスニングスクリプトを見て「あぁ!この単語、この表現、知ってたのに聞き取れなかった!」という経験が1度はあるのではないでしょうか?

この現象も、先述の「知らないものは見えない、聞き取れない」という視点から説明が出来ます。

「え?その理屈なら、知ってる単語は聞き取れるはずじゃないの?」
という考えが頭をよぎった方は、鋭いです笑

ではなぜ知っている単語なのに、聞き取れないという事態が発生するのでしょう?
実はここに、日本人英語学習者が一度は経験する落とし穴があります。

それは、「英語での発音を理解出来ていない」ということ。

最も有名な例を挙げるならば、「LとRをちゃんと区別出来てますか?」というイメージですね。

日本語においてはLもRも「ら・り・る・れ・ろ」という”ラ行”として一区切りになっている節があります。

他にも、ThとSの区別や、英語の音声変化など、単語帳で英単語のつづりと日本語訳を覚えているだけでは身につかない要素が、リスニングでは求められてくる…ということになります。

例えば、「An apple」という単純なひと言にしても、日本語の音声経験しかない場合は「アン アップル」という認識で頭の中に入っている事でしょう。

しかし、英語の世界では「An apple」は「ァナァポゥ」といった発音になります。

「An apple」を「アン アップル」だと思っている人が、「ァナァポゥ」という音を聞いても、「あの赤くて甘酸っぱい果物」とはゆめゆめ思わないという事ですね。

こうした「雑音→音声という情報」への脳内の変換作業は、第二言語習得の分野で”音声知覚”と呼ばれています。
詳しく見ていきましょう。

英語上級者も知らないシャドーイングの驚くべき効果とは?

さて、前項でリスニングのメカニズムについてお伝えしましたが、シャドーイングを実践することによってどんな効果が得られるのでしょうか?

そこには、知らずにシャドーイングを実践している英語上級者たちが見落としている、シャドーイングで得られる絶大な効果が隠されています。

ひとつずつ紐解いていきましょう。

音声知覚の自動化

前項のリスニングのメカニズムで、僕たちの脳内では”雑音”を”音声という情報”に変換する作業をしているということをお伝えしましたね。

そしてシャドーイングの目的というのが、この脳内の”音声知覚”のプロセスを自動化することにあります。

いきなり「音声知覚を自動化」と言われてもイメージがつかないでしょうから、具体的な例を挙げてみますね。

少し想像してみてください。

外出先で休憩したくなったあなたは近くのファミレスに入りました。

注文を終えて食事が来るまであなたは時間を持て余してしまいます。

すると、他の席に座っているサラリーマン同士の会話や、主婦が集まって会話しているのが聞こえてきました。

「今日の商談は上手くいった、キミのおかげだ。」だとか「隣の佐藤さんに菓子折りをもらった。」だとか、今のあなたに全く関係の無い話にも関わらず、その会話を聞いて「新人が初めて成果をあげたのかなぁ」とか「隣の佐藤さんは旅行に行ってきたのかなぁ」とか、そんな風に思いを馳せる事でしょう。

さて、ここでポイントになってくるのが、ファミレスに座っているあなたが、特に話を聞こうと意識していないのに会話の内容が入ってきているということです。

これが、「音声知覚が自動化されている状態」になります。

そしてTOEICのリスニングでも同じように、音声知覚が自動化されていれば「聞き取れなかったー!」ということも激減しますし、「聞き取るのにとても集中してリスニングが終わるとヘトヘトになっちゃう…」という事態も低減することが出来るということですね。

シャドーイングは、流れていく音声に合わせて即座に自分の口で後追いする必要があるので、非常に強い強制力を持った音声知覚の自動化トレーニングだという事が出来ます。

TOEICリスニングの頻出表現パターンを掴むことが出来る

シャドーイングは上手く出来るようになるまで何度も何度も練習するので、練習しているうちにスクリプト(台本)のパターンも掴むことが出来るようになってきます。

これに関しては、「TOEICリスニングの頻出パターンを掴んでやるぞ!」というような意識がなくても、自然と身につくものなので、いくつかこなしたあたりで「なんとなく掴めてきたぞ…?」というのを感じていただくようなイメージですね。

頻出のパターンを掴むことが出来たら、音声が流れている時点である程度先の流れを予測出来るようになりますし、その分少ないエネルギーで高いパフォーマンスを発揮出来ます。

英語を英語のまま理解する力が養われる

TOEICの対策としてシャドーイングを実践する目的はリスニング問題を解けるようになる事ですから、最終的には音声を後追いしながら英文の意味も理解出来るようになる必要があります。

音声は絶えず流れているので、頭の中で英語から日本語に訳している時間はありません。

なので、ここでもシャドーイングは高い強制力をもって、英語を英語のまま文頭から理解する力を養う事が出来ます。

難しい事に思えるかもしれませんが、同じ音声を何度も何度も繰り返し行うので自然と出来るようになってきますよ。

知らない分だけ損をしていた!目的意識と学習効果の因果関係とは?

さて、ここからがリスニングやシャドーイングのメカニズムを知ることのアドバンテージになります。

ところで、皆さんは筋トレを経験したことがありますか?
またはヨガ、柔軟などでもOKです。

そこでは、先生から「今どこどこの筋肉を鍛えているので、そこに力が加わるのを意識してくださいね~」と言われたのではないでしょうか?

また、野球やテニスで素振りをする時に「ただ素振りをするだけではなく、相手とボールをイメージして素振りをしなさい」と言われたことがあるのではないでしょうか?

これにはハッキリした理由があります。

筋トレにおいて、見よう見まねでトレーニングをするのと、鍛えている部位を意識してトレーニングをこなすのとでは効果に歴然とした差があるからです。

これは筋トレやスポーツでは当たり前のように浸透していますよね。

しかし、ひとたび英語学習となると、それが全くと言って良いほど浸透していません。

TOEICで900を取得していて、5年以上シャドーイングを実践している英語上級者でも、そのメカニズムを知らないがゆえに非常にもったいない勉強法をしていたと言えるかもしれませんね。

TOEIC900を取るための期間が、もっと早く済んだ可能性が高いからです。

「そんなの、結果論であって、実際にどうだったかはわからないじゃないか!」
と思われるかもしれませんが、ここまで言い切るのには根拠があります。

【なぜ?】意識にあげるだけで効果が全然違ってくる、脳科学的な根拠はこれだ

ここからは少し心理学の話になります。とはいっても難しい話ではないので大丈夫です。

心理学は脳科学のひとつなので、英語の習得に大きく関わってくる話でもあります。
(その範囲については学者によってさまざま認識の違いはありますが、ザックリのイメージとして「脳科学の中の心理学」というイメージで多くの見解から差異は無いと思って大丈夫です。)
そして、これからの英語学習の質をグンと上げて、成果が出るのをビュンと加速させる話でもあるのでぜひ注目したいポイントです。

人間には顕在意識と潜在意識の2面があります。

と、文字にするとややこしいので、顕在意識が「心と身体の手動操縦」、潜在意識が「心と身体の自動操縦」というイメージを持っていただければわかりやすいかと思います。

もっと具体的に言うならば
「コーヒーを飲もうとしてカップに手を伸ばすのが顕在意識」
「遠くのモノを見ようとして網膜の筋肉が緩むのが潜在意識」
ということになります。

前者は、カップに手を伸ばそうとして手を伸ばしているのに対して
後者は「遠くを見たいから網膜を緩めよう!」と思ってないのに、身体は自然とそうなっている事がわかりますよね?

人間が持つ2つの意識
①顕在意識=心と身体の手動操縦
②潜在意識=心と身体の自動操縦

例えば、野球の素振りを例に挙げてみましょうか。
野球のバットを振るというのも、実は結構大変で、バットに結構な重量があるため慣れるまではボールに当てるのも難しかったりします。

というのも、経験が薄いうちは、なかなかのスピードで迫ってくるボールに意識を奪われて、正しいフォームでバットを振るどころの話じゃなくなってしまうんですね。

テニスでもそうです。
ボールの落下地点を瞬時に予測して、自分が打ちたい方向に正確なラケットの面を作って体重移動を行い振り抜くというのは、経験を重ねなければかなり難しいです。

そこで、一度ボールから意識を外して、自分のフォームを意識出来るように素振りをするというわけですね。

そして、優れたコーチであれば、「スイングの時に体重を後ろから前に移動させて!」とか「腕の力を抜いて、遠心力が勝手に強い力で振ってくれるのを感じて!」といったセリフを言います。

これは、顕在意識(身体の自動操縦)が、バットやラケットを”振る”という動作をするにあたって、「腕」に顕在意識が向かい過ぎてしまって過度に力が入ってしまう事を防ぐためです。

そして同時に、「体重を移動させて!」とか「遠心力を感じて!」と伝えることで、顕在意識を「リラックスした状態で」スイングすることに向かわせているという事ですね。

ここで、前項の筋トレの例、「○○筋を鍛えているのでそこに力がかかっているのを意識してくださ~~い!」という言葉を思い出してみてください。

これも、同様の事をしているんですね。

使っている筋肉、そして鍛えたい筋肉を顕在意識(手動操縦)にあげることで、潜在意識(自動操縦)に働きかけて目的の筋肉に重点的に負荷をかけることが可能になる…という仕組みなんです。

簡単に言い換えるならば、「トレーニングや素振りの目的を意識する事で、潜在意識(自動操縦、無意識レベル)にまで深くその効果を書き込む」と言う事が出来ますね。

シャドーイングにも同じことが言えるわけで、「自分は今、音声知覚の自動化をしているんだ!」という意識でシャドーイングを実践すれば、それだけで無意識レベルに働きかけて、効果を倍増させることが出来るというわけですね。

【最後に】ここまで読んでくださっているあなたは、既に一歩先を行っているという事実

さて、ここまでTOEICのリスニング対策において、シャドーイングについて以下の事をお伝えしてきました。

この記事のおさらい
・なぜ効くのか
・どんなメカニズムなのか
・目的を意識にあげることで、効果が最大化される
・意識に挙げる上で、脳科学的根拠として、顕在意識と潜在意識について知っていると成果がまるっと変わってくる
そして、ここまで読んでくださったあなたは、ことシャドーイングにおいてこの上なく優位に立っていることは言うまでもありません。

なぜなら、トレーニングの目的を意識する上で、イメージが具体的であればあるほど効果は高まるからです。

「脳科学、心理学、行動科学を基にした、科学的根拠に基づいた英会話スクール」を掲げた高価格帯の英会話スクールでも、ここまで具体的なことは教えてくれないです。

ましてや、これまで上記の事を知らずに、がむしゃらにシャドーイングをしていたTOEIC上級者よりも、もっとスピーディで質の高い学習を実践出来る事でしょう。

あとは、実践するのみです。

ぜひ「英語が身についていく脳内の過程」をイメージしながら、あなたの英語学習を加速させていってください!


英語を身に着けて「スマートな国際人」になる


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ABOUTこの記事をかいた人

「0からでも、上級レベルの英語力」までのプロセスをお伝えしています。 英語を身に着けて、「スマート(知的)な国際人」になるのが目標。 なんとなくで英語を学ぶのに嫌気が差している方、TOEICのスコアなどでマウント取られてうんざりしてる方はブックマークをおすすめ。 高校で赤点まみれ不登校でしたが、大学受験英語模試で34/200→150/200まで上げました。 英米語学科卒、5か月間カナダへ公費交換留学、英文事務に2年間従事、英検準一級、TOEICは苦手ですが790まで上げました。