英会話は留学を経験しなくても高いレベルで身に着けることが可能です。
今これを書いている筆者も、英語を身に着けるために約半年間の中長期の交換留学(語学留学)を経験しました。
結果、留学を経験する以前と比較して大学のネイティブ講師から「君と英語で話すのが楽しくなった。君が自然な表現と会話の間で英語を話せるようになったからだよ。」と評されるようになったのも事実です。
しかし、だからこそ、留学先の経験を根拠にして「これって日本国内でも同じ行動をして、結果を得られたよね…?」と考えています。
この記事では、「留学経験者だからこそわかる、国内で留学経験レベルの英会話力を身に着ける方法」についてお伝えします。
目次
【結論】語学留学の9割「あ、これ国内でも出来るわ」

「なんとか日本国内で英会話を身につけたいなぁ」と考えているあなた、朗報です。
大学の審査をパスして、約半年間の語学留学を経験し、ネイティブ講師が「君の英会話力は格段に上がった」と合格印を出す留学経験者が
「あなたは留学しなくても、僕と同じ成果を出せますよ」
と実際の経験を根拠に主張しているのですから。
本項では、その根拠についてお伝えしますね。
語学留学のありがちな勘違い
あなたは語学留学について、こんな話を聞いたことはありませんか?
1.英語をシャワーのように浴びて上達する!
2.留学先の授業で本格的に英語を学べる!
かく言う私も留学に行く前は↑のような期待していました。
しかし、留学を経験した今、これらは大きな勘違いだと断言できます。
順番に見ていきましょう。
1.英語をシャワーのように聞いて上達する!
「語学留学では、ネイティブスピーカーの英語をシャワーのように大量に浴びることで、英会話力が格段に身につく」というのは誤解です。
なぜなら、「自分のリスニング力を超えた英語は、どう頑張っても聞き取れないから」です。
例えば、あなたが中学生の時に「大学受験の英語をシャワーのように聞けば、めちゃくちゃ英語出来るようになるじゃん!」と思うでしょうか?
実際にやってみると「知らない単語、知らない表現、わからない英文構造だらけで、聞き取るどころじゃない」と感じるはずです。
留学中の英語も同じです。ネイティブスピーカーの話すスピードは、大学入試やTOEIC、英検などのリスニング音声よりも遥かに速く、さらに知らない単語も数多く登場します。
知らない単語が素早く話されているのをシャワーのように聞いたところで、どれくらい英語力の成長の助けになるのでしょうか?留学中の記憶をたどっても大きな疑問が残ります。
以上のことから、「語学留学では、ネイティブスピーカーの英語をシャワーのように大量に浴びることで、英会話力が格段に身につくのは誤解」だといえます。
2.留学先の授業で本格的に英語を学べる!
「留学先の授業で本格的に英語を学べる!」というのは誤解です。
なぜなら、「国内でも留学先と同じくらい、高いレベルの授業を受けられる」からです。
確かに語学留学では※ESLと呼ばれる、本格的に英語を身に着けるカリキュラムが組まれます。
※ESLとは:英語を母語としない学生向けの、第二外国語としての英語を身に着けるためのカリキュラムです。”English as a Second Language”の頭文字をとってESLと呼ばれます。
確かにESLでは、英語の4技能(読解、聴解、英会話、英作文)をしっかりとしたカリキュラムに則(のっと)って学ぶことが出来ます。
しかし、日本にいても同じくらい高品質のレッスンを受けることは可能です。
「日本の英会話スクール」と聞くと、「ネイティブスピーカーの講師と楽しくおしゃべりする」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね?
確かにネイティブ講師と楽しくお話するコースもあります。
しかし、特に現在ではESLのようにしっかりと練られたカリキュラムを提供する英会話スクールが大半です。
また、大学でもネイティブスピーカーの講師が教員として在籍していることも多く、ESLレベルの授業を受講することも可能です。
以上の事から、「留学先の授業で本格的に英語を学べる!」というのは誤解だといえます。
留学で英会話力が伸びた”本当の”理由とは?

ここまで語学留学にありがちな誤解についてお伝えしてきましたが、語学留学を通して英会話力がネイティブスピーカーからお墨付きをもらえたのも事実です。
それでは、語学留学で英会話力が伸びた”本当の理由”は何なのでしょうか?
英会話力が伸びた”本当の理由”は、以下3点を実践する機会に恵まれたからだといえます。
1.日常の英語化
2.瞬間英作文
3.カランメソッド
ひとつずつ、順番に見ていきましょう。
1.日常の英語化
留学で「日常を英語化」する機会に恵まれたことで、英会話がめちゃくちゃスムーズになりました。
なぜなら、目に映ったもの、頭に浮かんだものが、無意識のうちに瞬時に英語に変換されるからです。
日常の英語化とは?
日常の英語化とは、目に映るもの、耳に入るものすべてを英語に変換することを指します。
例えば、今これをキーボードを叩いて書き込んでいる私が周りを見てみると、「パソコンモニター、壁、本棚、ノートパソコン」などが目に入ります。
これらを全て、英語で認識してみましょう。
例:「×パソコンモニター〇A display、 ×壁 〇Wall、×本棚 〇A book shelf、×ノートパソコン 〇A laptop computer」
これを常に行うことで、「〇〇って、英語でなんて言うんだっけ…?」という事態が減り、逆に「日本語よりも先に英語が頭に浮かぶ」状態を誘発するのを期待できます。
日常の英語化によるメリット
日常の英語化によって、どれくらい英会話がスムーズになったかと言うと、考えるより先に英語が口から出るくらいスムーズになりました。
考えるより先に英語が出てくると、相手の英語を理解したり、次の英文を予測して構成するのに頭の容量をあてられるので、流暢(りゅうちょう)な英会話を省エネで行うことができます。
2.瞬間英作文
留学中の英会話では、「瞬間英作文」をする機会にも恵まれました。
「瞬間英作文」とは、短い日本語の文章を読んで、瞬間的に英作文をするトレーニングを指します。
「瞬間英作文」を行うことで、多くの日本人が苦手とする「英語の瞬発力」を養うことができます。
「英語の瞬発力」とは、英作文のように「これが主語でこれが動詞だから……」と時間をかけて英語を作るのではなく、反射的に英語を素早く話す力を指します。
よく、「日本語を英語に変換している時点で、英語を英語として考える力が養われない!」という意見がありますが、その主張には疑問が残ります。
なぜなら、「瞬間英作文をしている時の頭の中の回路」は、「日本語→英語」だけではなく、「日本語→英語で表現したいイメージ→英語」だからです。
日本語から英語で表現したいイメージを英訳しているうちに、英語のルールやパターンが見えてきて、結果日本語よりも先に英語が頭に浮かぶ回路を結ぶのにとても役に立つわけです。
この「瞬間英作文」も、留学中の英会話で実際に役に立ち、英会話のスキルがグンと上がったことに貢献したと言わざるを得ません。
3.カランメソッド
最後に、留学中はカランメソッドを実践する機会にも恵まれていました。
カランメソッドとは、上述した「日常の英語化」と「瞬間英作文」のあわせ技だと思っていただけるとイメージがしやすいです。
カランメソッドとは……
- 日常の英語化
- 瞬間英作文
のあわせ技
カランメソッドとは、「解答を知っている英語の質問に対して、英語の文章で即座に回答する勉強法」を指します。
例えば、カランメソッドは以下の手順で行われます。
- 講師が黄色いペンを取り出して3〜5秒ほど受講生に見せる。
- 「What color is this pen?(このペンは何色?)」と質問を投げかける。
- 生徒が「That pen is yellow!」と即座に(1秒以内に)答える。
↑の手順をこなす中で、ポイントが2つあります。
- 生徒側の回答は必ず「文章」で返す
- 講師は生徒のミスを「即座に」修正する
1.例えば先程の質問「What color is this pen?(このペンは何色ですか?)」に対して「Yellow!(黄色!)」と答えるのはNGです。
必ず「主語と動詞に基づいた、英語の”文章”」で返答する必要があります。
だから、「That pen is yellow!(そのペンは黄色です!)」と答える必要があったんですね。
2.については、講師が生徒の文法ミスを即座に指摘します。
なぜなら、英語の「瞬発力」を損(そこ)なわずに、正しい英作文回路を築けるからです。
養うのは英語の「瞬発力」なので、間違いが生じたときに「えっと、主語がThatだから動詞が……」と考える隙を与えずに訂正することで、体感レベルで適切な英文構築の思考回路を養うのを促(うなが)すわけですね。
↑以上2つのポイントがあることで、カランメソッドを実践する時に生徒側には↓以下2つの意識が生まれます。
- 講師が「黄色いペン」を見せている時、どんな質問が来るかを推測する
- 推測した質問ごとに、回答を「文章で」考える
少し、想像してみてください。あなたは今、カランメソッドの授業を受けています。
1.例えば講師が黄色いペンを見せている時、「What color is this pen?(このペンは何色ですか?)」以外にも「What item is this for?(これは何に使われるものですか?)」や、もっとシンプルに「What is this?(これは何ですか?)」と質問されるかもしれませんよね?
2.そこで、あなたは推測した質問ごとに回答を「文章」で構築し始めます。講師の質問に回答している間に訂正をされたくないからですね。そして講師が実際に質問を始めると、あなたは想定していた文章か、もしくは予想していなかった質問に対して素早く英文を構築して返答をします。
↑2つの意識をすることで、「英語の質問に対して、いくつもの返答を英語で想定、返答する」ことがクセになり、英語を話す回路と瞬発力を飛躍的に向上させられます。
留学中はカランメソッドを正式に受講していたわけではありませんが、ESL(前項を参照)ではしきりに「英語は文章で返せ」と言われていたため、カランメソッドに非常によく似た経験を積むことができました。
お気づきでしょうか……?
さて、前項「留学で英会話力が伸びた”本当の”理由」でお伝えした内容ですが、皆さまお気づきでしょうか……?
全て、国内で出来てしまうことに。
日常の英語化も、身の回りのもの全てが勉強教材になります。
瞬間英作文も、良質な瞬間英作文用の教材が何種類も展開されています。
カランメソッドだって、多くの英会話教室やオンライン英会話で受講することができます。
以上のことから、英語の習得を求めて語学留学を経験した筆者の目線から
「国内でも語学留学とほぼ同じ条件で英会話を学ぶことができる」
と言えるわけです。
【注意】留学=無意味ではない
ここまで”だけ”を聞くと、「ここの筆者は留学アンチなのか?」とか、「留学しても無意味なのか?」と思われてしまいそうですが、そうではありません。
確かに「留学をしなくても、大部分のことは国内でもできる」と言いました。
しかし、同時に「留学でしかできないこと」や「留学だからこそできること」があるのも事実です。
これを書いている理由も、留学を思いとどまってほしいからではありません。
経済的な事情や大きな理由によって「留学をできないことを理由に、英会話を諦めないでほしい」気持ちで書いています。
もちろん、私も「”可能なら”留学に行ってほしい」というのが本音です。
「留学でしかできないこと」や「留学だからこそできること」については、以下の関連記事で詳しく書いています。
ぜひ参考にしてみてください。
「留学と英会話のまとめ」についてはこちら↓
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