この記事は以下のような方におすすめです。
- 0から英文法を始めたい
- 0から始めて、上級レベルの英文法まで身につける方法を知りたい
- 実際に0から上級レベルまで伸ばした人の勉強法を知りたい
この記事を読み終わる頃には、以下のことを得ているでしょう。
- 0から上級レベルの英文法力を得るまでの具体的なプロセスがわかる
- 何に、どれだけ、どんな意識で取り組むべきかがわかる
目次
高校英文法をサボると……?

高校英文法をサボると、以下の弊害(へいがい)があります。
- 英文を読むたび、クタクタに疲れてしまう
- 英会話での「ちょっとした問いかけ」が理解出来ないことがある
↑以上の弊害(へいがい)は、「英文法なんて、英単語が全部わかれば必要ないぜ!」と本気で信じ込んでいた筆者が(書いてて恥ずかしくなる過去です←)、実際に悩んでいたことでもあります。
順番に見ていきましょう。
1.英文を読むたび、クタクタに疲れてしまう
高校英文法をサボると、英文を読むたびクタクタに疲れてしまいます。
なぜなら、英文の大まかな骨格が見えてこないからです。
英文の大まかな骨格が見えないと、目に映る英単語や英熟語、全てを一つずつ訳していく必要があります。
その結果、全ての英単語や英熟語に集中力を使うので、英文一つ読むのもひと苦労で、読み終える頃にはクタクタに疲れてしまっているわけですね。
例えばマラソンいうと、「どれだけ走れば良いのかわからない状態」だと、ペース配分もままならず普通よりドッと疲れてしまいますよね?それと同じことがいえます。
特にアカデミックな記事や社会的な文章だと、一文が長くなったり少し複雑になったりして、「知ってる英単語だらけなのに、文章として理解できない!」なんて事態に何度も陥(おちい)ってきました。
こんな状態で、英検やTOEICなどの試験のときだけ高い集中力と単語力でゴリ押しして、その度にグッタリと疲れ果ててしまっていたので、「出来るなら英語に触れたくない……(読むたびにグッタリ疲れてしまうから)」なんて状態でした。(「普段から英語に触れる」なんて夢のまた夢でしたね笑)
このように、高校英文法をサボっていると、英文を読むたびにクタクタに疲れ果ててしまうという弊害(へいがい)があります。
2.英会話での「ちょっとした問いかけ」が理解できないことがある
高校英文法をサボっていると、英会話での「ちょっとした問いかけ」が理解できないことがあります。
これも「英文の骨格を理解できない」ことによる弊害(へいがい)です。
例えば、以下の例文を見てみましょう。
A級
What actions is the UN taking to support the younger generation and how is that support mutually beneficial?引用元:国連英検 作文問題 過去出題テーマ
2021年度 第2回試験
↑の例文を、「一回で、読み返さずに」意味を理解できた方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?(筆者は一度読み返しました笑)
この英文は国連英検の英作文テーマではありますが、英語圏ではこうした質問も会話の中で普通に行われます。
高校英文法をサボっていると、こうした「一文が長い、すこし複雑な疑問文」をひと言で聞かれた時、英文の骨格がわからず頭がパンクしてしまいます。
※引用した例文は、日本語訳すると「国連は若い世代を支援するためにどんな行動を取っていて、またその支援はお互いにどのように有益でしょうか?」といった意味になります。
高校英文法をしっかり勉強すると……?
高校英文法をしっかり勉強することで、アカデミック(学術的)な文章や、社会的な内容の文章など、すこし複雑な文章もスラスラと読めるようになります。
なぜなら、英文の骨格をスムーズに掴む「英文読解・英文解釈」の技術を掴むために、高校英文法の知識が非常に役に立つからです。
「英文読解・英文解釈」とは、英文の骨格をスムーズに掴み、英語を英語の語順のまま理解する技術を指します。
英語を英語のまま理解出来るので、英語を理解する「スピードと正確さの両立」が可能になります。
意味の理解に日本語を挟まない分スピーディに英文を理解できますし、英文の骨格を正確に理解する技術でもあるので、「速さと正確さ」を両立できるわけです。
「読解」と名前はついていますが、英文の骨格を掴む技術なのでリスニングにもそのまま応用できる技術ですし、むしろ一回でスピーディに英語を理解する必要があるリスニングでこそ活きる技術と言っても過言ではありません。
しかし、英文の骨格を理解する「英文読解・英文解釈」を身につけるには、英語の「しくみ」を理解している必要があります。
筆者は英文法の知識が不足した状態で英文読解に挑み、解説文の文法説明がわからず何度も挫折しています。
このように、「英文読解・英文解釈」は、少しくらい複雑だったり長かったりする英文もスラスラと正確に理解する技術であり、「英文読解・英文解釈」を身につける土台として高校レベルの英文法の理解が必要だといえるのです。
「まずは中学英語を完璧に」の落とし穴
英文法を0から学ぶor学び直すことを考えると、「まずは中学英語を完璧にしないとね!」と意気込んで、「中学英文法マスター!」といったテキストに意識が向かうのではないでしょうか?
筆者もそのひとりでした笑
ただし、大人のやり直し英語、0から英語を学ぶ人が、「まずは中学英語を完璧にする」意識で取り組むのはおすすめしません。
それは以下の理由からです。
- 高校の英文法も、中学英語の英文法と重なる部分が多いから
- 日常英会話、TOEICなどでもよく使う「仮定法」や「分詞構文」などが高校英文法の範囲だから
- 中学英文法は一度学んでいるので、高校英文法まで一気にやっても理解の妨げになりづらいから
故に、英語を1から始めたい方は「中学英語+α」の参考書に取り組むのが良いでしょう。
具体的には、以下の参考書がおすすめです。
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↑「大岩のいちばんはじめの英文法」は、 「いちばんはじめの」の名前の通り英文法を中学初級レベルから学び直せます。
さらに先述した、日常英会話やTOEICでもよく使う「仮定法」や「分詞構文」などの高校英文法までを総ざらいすることが可能です。
英文法書は600ページを超える分厚いものが多いですが、はじめからそんなボリュームのあるものに取り組む必要はありません。
「安河内の英語をはじめからていねいに」は200ページ程度です。
まずはこの1冊を3周程度して、次のステップに進むのが良いでしょう。
勉強した知識を最大限活かす方法

中学英語+αで基礎を固めたら、さっそく問題集に取り組むのが効果的です。
最初はほとんどの問題を解けないでしょう。
なぜなら、「今持っている知識を”使う”」ことに慣れてないからです。
問題を取り組む上で大切なのが、以下の2点です。
1.「解説を読んで『あぁ!なんだ、簡単なことじゃん!』」という感覚を掴むこと
2.解説を読んで理解出来ないポイントは「容赦なく飛ばす」こと
順番に見ていきましょう。
1.「解説を読んで『あぁ!なんだ、簡単なことじゃん!』」という感覚を掴む
実際には簡単な問題でも、問題文を読むと難しそうなことがグチャグチャと書いてあって面食らいます。
しかし、解説を読んでみると「文末にYesterdayって書いてあるから過去形だよ。」といったように、「なんだ、簡単なことじゃん」と拍子抜けすることがほとんどです。
このように、「現在持っている、理解している知識」を使えるようになることが、問題集に取り組む大きな目的のひとつです。
2.解説を読んで理解出来ないポイントは「容赦なく飛ばす」
解説を読んでもわからない問題は容赦なく飛ばしましょう。
なぜなら、暗記要素の大きい英単語と違って、英文法は「理解」が大きなウェイトを占めるからです。
解説を読んでも理解できないポイントは、いくら解説文とにらめっこしても理解できないので容赦なくスキップしちゃいましょう。
「理解出来ないポイントを解けるようになりたい。理解しているポイントはちゃんと解けるようになったから。」と思えるようになったら、次のステップへ進みましょう。
おすすめの英文法問題集
取り組む問題集の中でもおすすめなのは以下の2つです。
以下2つのうちいずれか1冊、3周を目安に実践しましょう。
ネクステージ
↑受験生向け英文法問題集のド定番で、高校英文法を”使える”ようにするにはピッタリです。
問題集だけあって解説は簡素に感じるかもしれませんが、上述の「いちばんはじめの英文法」で理解している部分は解説が簡素でも理解できるでしょう。
重ねて言いますが、解説を読んでも理解できない部分は遠慮なく飛ばしてしまいましょう。
TOEIC究極のゼミPart5&6
↑TOEICのスコアを伸ばすことが目的で英文法を勉強する方にはこちらをおすすめします。
TOEICでよく出る英文法事項がわかりやすく整理されていて、かつTOEICでスコアを伸ばすための「テクニック」面も養うことが出来る一冊です。
ネクステージと比べて解説の比率が多い「参考書と問題集の混合型」なので、初めてTOEICを受験する人も安心して取り組める参考書です。
ワンランク上の英文法力を手に入れる方法
上述の基礎固め+問題集を解いて、「今理解している文法問題は解けるようになった。」という段階に来て、かつ「もうワンランク上の英文法力を身に着けたい」と思うようになったら、以下の2ステップに移行するのがおすすめです。
1.文法書の通読
2.問題集、解けなかった問題の解き直し
1.文法書の通読
文法書の通読とは、文字通り文法書を最初から最後まで通して読むことを指します。
最初から最後まで通して読むことで、各要素がリンクします。
各要素がリンクすると、それまで単一で理解していた文法要素が、他の文法要素とリンクすることでより深い理解へ繋がります。
おすすめの文法書
↑ページ数は600ページ以上あり、分厚いので面食らってしまいますが、イラストでの解説が多く、読み物のようにスラスラと読めるのでイメージ以上にスムーズな勉強ができますよ。
似たような文法書に「一億人の英文法」がありますが、個人的にはEvergreenの方がおすすめです。
一億人の英文法は「話すための英文法」を掲げていて非常に読みやすく良い参考書ではありますが、Evergreenの方が索引がしやすいです。
例えば、「関係詞のこの部分がわからない!」となった時に、ピンポイントで関係詞のわからない部分を開いて知識を補いやすいわけですね。
ただし一億人の英文法は通読してシームレス(ひとつなぎ)に英文法を理解しやすい側面もあるので、「英文法をひとつなぎに理解したい!」という方にはおすすめ出来る文法書です。
2.問題集、解けなかった問題の解き直し
文法書の通読で英文法の理解を深めたら、問題集で解けなかった問題をもう一度解いて解説を読んでみましょう。
それまでわからなかった解説文が、理解出来るようになっているでしょう。
文法書の通読で、英文法の知識が比べ物にならないほどついているからです。
読解とのリンク
上述の基礎固め、問題集、文法書の通読をしても、完璧に英文法を理解出来る人は少ないでしょう。
そんな場合でも大丈夫です。
英語の読解をすることで、英文法の知識は深まります。
なぜなら、英文法問題を解く視点とは別の、「英文を読む視点」が身につくことで、英文法を見る視野が広がるからです。
ひとつ具体的な例を挙げてみましょう。今これを書いている筆者が体験したエピソードです。
私はずっと関係詞が苦手でした。苦手すぎて、理解ができないまま解説文だけが頭に入ってしまうくらいでした。
しかし、英語の読解をしていた時に、「ネイティブスピーカーは関係詞のついた英語を読む時、こんな感覚で読んでいる」との解説を読んで、とてもしっくりと来たのを覚えています。
これまで「空欄に入る関係詞を判断するために、後ろの文章を見て……」という意識だったのが、一気に「ネイティブスピーカーは、関係詞を見た時に後ろの文章を推測する」という意識にシフトしたわけです。
その結果、関係詞に対する苦手意識は一気に払拭されました。
以上の体験のように、文法理解から一回離れた視点で同じ英文法要素を見ることで、一気に理解が深まるわけです。
読解についての詳細は以下の記事で詳しく解説しています。↓
0から上級レベルの英語を見に着ける勉強法をまとめた記事はこちら↓
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