英検準一級は、戦略的な対策と適切な勉強をすれば、独学でも無理なく合格できます。
しかし、英検準一級の対策に「独学で合格するために、何をどれだけ勉強したら良いかわからない!」という悩みがある方もいらっしゃるでしょう。
今これをタイピングしている筆者も、「難関の英検準一級に本当に独学で合格できるだろうか…?」と悩んでいました。
しかし、しっかりと戦略を立てて対策をしたことで、TOEIC690点の状態から無事合格することができました。
この記事では、そんな英検準一級に独学で無理なく合格できる戦略や対策の立て方、そして具体的な勉強法を、筆者が実践して実際に役に立ったものに厳選してお伝えします。
この記事を読み終わる頃には、英検準一級に受かるために「今、何が必要なのか」を十分に理解して、「これから何をすれば良いのか」が明確になるのでぜひ最後まで読んでください。
目次
英検準一級に独学で合格する戦略|勉強期間設定
英検準一級に合格するために必要な勉強期間は、「約4ヶ月」に設定すると効果的だと感じました。
なぜなら、以下の理由が根拠です。
- 必要な勉強を総合すると、4ヶ月が適切だから
- 英検準一級の試験本番が4ヶ月に1度の頻度だから
順番に見ていきましょう。
1.必要な勉強を総合すると、4ヶ月が適切だから
英検準一級に受かるために必要な英語力(単語力や読解力など)を養うために、必要な勉強期間を総合すると4ヶ月と見積もるのが適切でしょう。
英検準一級に受かるために必要な大きな要素には「英単語力、英文読解力、リスニング力、英作文力」の4つが挙げられます。
英単語力、英文読解力、リスニング力、英作文力の4つを、それぞれ1ヶ月間集中して取り組むことで、単純計算して4ヶ月間で英検準一級に受かるため必要な技術が備わるわけですね。
もちろん、「1ヶ月の間で英単語しか行わない!」みたいなことではなく、効率的に勉強を進めるために並行して行うこともあります。
しかし、基本的には「1ヶ月で1技能」に集中する計算で考えると全体像として上手くいきます。
人間は期間が決まっていると緊張感が生まれてパフォーマンスが高くなるので、4ヶ月という期間に向き合って勉強することで、とても効果的に勉強が進みますよ。
2.英検準一級の試験本番が4ヶ月に1度の頻度だから
英検準一級の試験は、一年のうち3回開催されます。
6月、10月、翌1月の3回です。
「人間は制限時間を設けられると、緊張感が生まれて集中力が増す」というのは先述しましたね。
制限時間に加えて、実際に「あと◯ヶ月後には、試験場で本番を受験している」という意識を持つことで、さらに良い緊張感が生まれます。
加えて、設定した期間内に「自分が英検準一級を受験している姿」を鮮明に想像できるようになるので、良い意味での「意識の高さ」が生まれて、コンスタントな勉強が身につきやすくなります。
以上のことから…
- 必要な勉強を総合すると、4ヶ月が妥当だから
- 英検準一級の試験本番が4ヶ月に1度の頻度だから
という理由で、英検準一級の勉強期間、対策期間として4ヶ月が妥当だと言えるわけですね。
英検準一級に受かるために役に立った具体的な勉強法とは?
前項で「英検準一級の対策期間は4ヶ月が適切だった」とお伝えしました。
本項では、その4ヶ月の間に、具体的にどんな勉強方法が効果的だったのかをお伝えします。
①英単語(熟語)集中フェイズ 目安・約1か月
英検準一級に受かるために、まず始めに実践したのが英単語(英熟語)に集中した暗記でした。
「長文読解をするにしろ、リスニングに取り組むにしろ、英単語と英熟語が要になる」と考えたからです。
そして、英単語と英熟語に力を入れたのは大正解でした。
なぜなら、英検準一級のリーディングパートでは、なんと約60%もの割合を、純粋な単熟語力を問う問題が占めているからです。
つまり、「英検準一級のリーディングは単語ゲー」と言っても過言ではないわけですね。
長文読解やリスニング、英作文の要になるだけでなく、「そもそも英単語が得点源」なので、英単語に力を入れるのは英検準一級に受かるためにめちゃくちゃ理に適っているわけですね。
英検準一級の英単語学習は↓の関連記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひそちらを参考にしてください。
また「英単語学習」に特化して詳しく解説した記事も、英検準一級の英単語を効果的に覚えるために有益なのでそちらも参照してください↓
英検準一級の英単語には、英検準一級の英単語に特化した単語帳を使うのが効果的です。
信頼できる出版社からいくつか評判が良い単語帳が出ていますが、僕が使っていたのは旺文社の「出る順パス単」です。↓
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英検準一級でよく出る英単語から順に掲載されていて効果的に学習できますし、英単語だけでなく熟語も収録しているので「コレ一冊でOK!」なのがとても助かっていました。
英単語の対策期間の目安である「1ヶ月」の間では、まずは「英単語帳を2周」を目安に動くのが良いでしょう。
2周では十分に英単語を覚えたとは言えませんが、英単語帳の3周目からは、覚えた単語が増えて英単語帳を進めるスピードが早くなります。
さらに、次にお伝えする「リーディング実践フェイズ」で実際に問題に取り組みながら英単語に出会うことで、 加速度的に英単語を覚えることができます。
なので、まずは「英単語帳を2周」を目安に、最初の1ヶ月を集中して取り組むのが非常に効果的でした。
②リーディング演習フェーズ 目安・約1か月
英単語帳に1ヶ月集中して取り組んだ後は、英検準一級の過去問題集を使ってリーディング問題の演習に移りました。
過去問を解くことで、より「本番を意識して解いている感覚」を得たかったからです。
英検準一級の過去問は色んな出版社からいくつも出ていますが、僕が使っていたのは↓の「英検準一級 過去6回 全問題集」です。
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数ある英検準一級の過去問の中でも、「6回分」という圧倒的な回数の演習が出来ること、そして解答と解説がとても丁寧なことの2つが、「全問題集」を選んだ最大の理由です。
リーディング演習の実演では、主に以下の2つに注力しました。
- 英検準一級リーディングパートの全体像を掴む
- わからない英単語を徹底して覚える
- 英文の「精読」をする
順番に見ていきましょう。
1.英検準一級リーディングパートの全体像を掴む
リーディングの過去問演習でまずやったのが「リーディングパートの全体像を掴む」ことでした。
全体像を掴むことで、「本番でどんな問題をどれくらい解くのか」を掴んで、問題の解き方を最適化できると考えたからです。
英検準一級のリーディングはPart1からPart3まであり、合計41問で作られています。
- Part1→短文穴埋め問題で「英単語の知識」を問われる問題(25問)
- Part2→長文の穴埋めで「前後関係の理解」を問われる問題(6問)
- Part3→「内容理解」を問う問題。(10問)
↑のように、「どのパートにどれだけの問題がある」と把握することで、問題を解きながら「今自分がどれくらい解いたのか」を意識しながら取り組めるようになりました。
2.わからない英単語を徹底して覚える
リーディング問題の演習をしながら、問題演習中に出てきた「しらなかった英単語」を徹底してメモしました。
英単語の意味を知らないと読解の正確さとスピードにダイレクトに影響が出ますし、なにより「英単語の知識問題」がリーディングパートの6割を占めているからです。
なので「英単語の知識を埋めるのが、合格に直結する!」と感じて、わからない英単語を徹底してメモして覚えていました。
特に「英単語帳で見たことがある単語」については、英単語帳の勉強に加えて実際の問題で出会うことで、より印象に残るので「単語帳だけを続ける」よりも、何倍もの効果がありました。
英単語帳は3周目以降は進むスピードも速くなるので、リーディング演習フェイズに移っても、スキマ時間に単語帳に取り組むだけで「過去問演習との相乗効果」が大きく期待できます。
だからこそ、英単語帳を2周した時点でリーディング演習フェイズへ移行したというわけですね。
3.英文の「精読」をする
リーディングの過去問演習をする中で、英語を読むスピードと正確さを上げるために「精読」をしていました。
「精読」については、英検準一級のリーディング対策を詳しく解説した関連記事でわかりやすく説明しています。↓
「精読」とは、基礎100の読解プロセスで行ったような「英語を役割ごとに区切って読む」ことを指します。
「品詞分解」や「スラッシュリーディング」を、より「読解」に最適化して簡略化して行うような感じですね。
英検準一級のリーディング問題を「精読」することで、以下の効果が得られました。
- 英語を読む正確さとスピードを、同時に養えた
- 英検準一級の文構造に慣れ、傾向把握ができた
「精読」を行うことで、英語を英語の語順のまま理解する思考回路が養われるので、一回で英文を理解しやすくなり、正確に読む力と読むスピードが同時に養われました。
さらに、英検準一級の文構造に慣れてくるので、英文を読みながら「次に来る品詞」を予測しながら読むことができ、最適な動きで読めるようになっていきました。
「精読」に特化してもっと詳しく解説した関連記事もぜひ参考にしてください↓
③リスニング実演フェーズ 目安・約1か月
リーディングの過去問演習で「本番向けの意識」を固めたら、続いてはリスニングの演習に移りました。
リスニングは「英検準一級の中でも難しい」というのが一般的な認識ですが、筆者はこれからお伝えする対策&勉強法に取り組んだことで、リーディングよりもリスニングの方が点数を取ることができました。
英検準一級のリスニング対策で行ったことは以下のとおりです。
- 英検準一級リスニングパートの全体像を掴む
- オーバーラッピングとシャドーイング
- 問題演習
順番に見ていきましょう。
1.英検準一級リスニングパートの全体像を掴む
英検準一級のリスニングパートも、まずは全体像を掴むところから始まります。
「どんな問題が、どれくらい、どんな風に」問われるのかを知ることで、問題の解き方を最適化できると考えたからです。
英検準一級のリスニングパートはPart1からPart3まであり、合計29問で作られています。
- Part1→2人で行われる英会話を聞いて、内容理解を問われる(12問)
- Part2→1人で話される長めの音声を聞いて、内容理解を問われる(12問)
- Part3→1人で話されるアナウンスを聞いて、内容理解を問われる(5問)
↑のように、「どのパートにどれだけの問題がある」と把握することで、問題を解きながら「今自分がどれくらい解いたのか」を意識しながら取り組めるようになりました。
2.オーバーラッピングとシャドーイング
リスニングパートの全体像を掴んだら、英検準一級のリスニング音声を使ってオーバーラッピングとシャドーイングに取り組んでいました。
オーバーラッピングで「予測を立てながら聞き取る力」を、シャドーイングで「英語の語順のまま意味を理解する思考回路」を養うことができたからです。
オーバーラッピングとシャドーイングがもたらす英検準一級への高い効果については、↓の関連記事で詳しく解説しているのでぜひそちらを参考にしてください。
3.問題演習
英検準一級のリスニング音声を使ったオーバーラッピングとシャドーイングで、傾向を掴んで問題形式に慣れたら、英検準一級の試験本番を意識して問題演習に取り組んでいました。
実際に出題された過去問に取り組むことで、「本番慣れ」をするためです。
オーバーラッピングやシャドーイングをしている間は気づかない「聞き漏らし」や、試験本番特有の「緊張感」を体感しておくことで、本番で実力を十分に発揮することに繋がります。
リスニングの問題演習には、リーディングと同様に旺文社の「全問題集」を使っていました。
旺文社の「全問題集」は、問題文と音声CDが別売になっているので注意が必要です。↓
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④ライティング学習フェーズ 目安・約1か月
英検準一級の1次試験対策で、締めに実践したのは英作文(ライティング)対策です。
今コレを書いている筆者は、英検準一級を受験するまで「英作文」にあまり触れてこなかったどころか、日本語の小論文さえ書いたことがありませんでした。
つまり、「英語の小論文を書くのがお世辞にも得意とは言えない」状態だったわけです。
しかし、英作文が絶望的に苦手な状態から、たった3週間程度の対策で8割オーバーの点数で合格することができました。
英作文が得点源になったわけですね。
そんな「英作文絶望的な状況」から、たった3週間で英作文を得点源にした勉強法は、たった↓だけです。
- 模範解答(モデルエッセイ)を写経
- 問題演習
順番に見ていきましょう。
1.模範解答(モデルエッセイ)を写経
英検準一級の英作文対策では、徹底して模範解答(モデルエッセイ)を写経していました。
模範解答のパターンを掴むことで、「どんなトピックには、どんな文章を書けば良いか」がわかると考えたからです。
「写経って何?」については、英検準一級の英作文対策に特化して詳しく解説した記事でわかりやすく説明しています。↓
写経とは、ライティング(英作文)の模範解答(モデルエッセイ)を、そのまま書き写していく勉強法を指します。
「模範解答をそのまま書き写す」と言っても、何も考えずに書き写しては効果は見込めません。
英検準一級の英作文で出題されるお題(トピック)に対して、模範解答を写経しながら「なるほど、こう書いていくのか!」と意識しながら書くことで、初めて「英作文の思考回路」が養われていきます。
筆者が英検準一級の英作文対策で使っていた教材は↓でした。
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↑の教材を選んだ理由は、24個ものトピックに対して、肯定と否定の立場からそれぞれ1つずつの模範解答を掲載しているからです。
つまり、48個ものモデルエッセイに取り組むことができるわけです。
↑の教材には、トピックとモデルエッセイ以外にも「役に立つフレーズ集」が載っていますが、筆者は最終章の「実践編」だけに取り組みました。(対策期間を短縮したかったからです。)
実践編だけでも、3週間程度の対策で得点率8割を超えることができたので、それだけ優秀な教材ということですね。
2.問題演習
上述した写経で「英作文の思考回路」を養ったら、本番形式で問題演習に移りました。
本番形式で問題に取り組むことで、「本番で素早く、正確な英作文ができる必要がある」と考えたからです。
実際に問題に取り組むことで、写経していた際には気が付かなかった「解き方の穴」や「表現に迷うところ」が表面化して、即座に知識の穴を埋めることができるようになります。
問題演習は、リーディングやリスニングでも紹介した「全問題集」の6回分の過去問を使っていました。↓
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6回分も演習をすれば、「解き方の穴」や「表現に迷うところ」を十分に補えるようになっているでしょう。
二次試験対策はどうする?
ここまでで英検準一級の一次試験対策で、実際に筆者が行って効果的だった勉強法と教材をお伝えしました。
それでは、二次試験対策はいつ、どんな風に行えば良いのでしょうか?
結論から言えば、英検準一級の二次試験対策は、一次試験に合格しているのを確認してから始めても十分に間に合います。
「英検準一級の二次試験対策が、一次試験に受かってからでも間に合う」と言える根拠は、以下のとおりです。
- 二次試験の対策の多くが、英作文の対策と重なる
- 一次試験の合格率が15%弱なのに対して、二次試験の合格率は約80%
英検準一級の二次試験対策については、↓の関連記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらもあわせて参考にしてください。
まとめ
この記事では、英検準一級の一次試験に合格するために、実際に筆者が実践して本当に効果的だった勉強方法や教材、対策法をお伝えしました。
英検準一級に受かるためには、戦略的に勉強ルートやプランを組み立てて、実行していくことがとても大切です。
それぞれの効果的な勉強方法や、「どうしてその勉強が効果的なのか」を知ることも、英語学習の成功に大切なことなのでぜひそちらも参考にしてください。↓