0から英語の長文読解を上級レベルまで引き上げるには?具体的な方法とプロセスを紹介

英語が読めるようになると、一気に英語が楽しくなります。

英語で書いてある情報が理解できると、一気に英語が出来ているのを実感できますからね。

しかし逆に、適切な英語の読解力を備えていないと、いくら英語が読めても英語を読むたびにクタクタに疲れてしまって、英語を見るのも嫌になってしまいます。

この記事では、そんな「英文読解の技術」の身に着け方を、わかりやすくお伝えしていきます。

この記事を読み終わる頃には、英語の読解力を身に着けるプロセスを理解し、0から上級レベルの読解力を身に着ける方法がわかるようになっているのでぜひ最後まで読んでください。

目次

読解の勉強とは?

この記事でお伝えするのは読解の「練習」ではなく、読解の「勉強」であることをまずここで強調したいと思います。

なぜそんなことを強調するかというと、読解の「勉強」をスキップして読解の「練習」にすぐに移行する人が多いからです。

筆者がその一人でした。

読解の「練習」とは、問題集や過去問などを使って実際に長文問題を解くことを指します。

英文読解は英単語力と英文法力が掛け合わさった技術ですから、英単語と英文法をある程度仕上げた段階で読解の「練習」に移行する人が多いんですね。

英語が得意な人であれば、その順序でもOKな人もいるでしょう。

しかし、当時の私を含む多くの人にとって、英単語力と英文法力を学び終えた段階では「長文で活かす技術」は未発達のままです。

だからこそ、英単語力と英文法力を活かすための技術である「英文読解」「英文解釈」を学ぶ必要があるわけですね。

読解の勉強を始めるタイミング

読解の勉強をベストなタイミングは、英単語と英文法の勉強を一通り終えたタイミングです。

なぜなら、英文読解は英単語力と英文法力が掛け合わさった技術で、英文読解の勉強は「今持っている英単語力と英文法力を掛け合わせる作業」だからです。

読解の勉強をしないとどうなる?

読解の練習をしないまま長文読解に移ろうとすると、多くの場合以下の苦難に苛(さいな)まれることになります。

  1. 英文を読むたびクタクタに疲れる
  2. 英文を読むのがとても遅い
  3. 単語がほぼわかっても、英文の意味を理解できない

↑に挙げた弊害(へいがい)は全て、今これを書いている僕が実際に長年苛(さいな)まれてきたことでもあります。

そしてもしあなたが長文読解に苦手意識があるなら、またはまだ読解の練習をしていないのなら、長文を読んだ時に同じ苦難を感じることでしょう。

それを放置してしまうと、たとえ英語を使って仕事を任されるようになっても、TOEICでハイスコアを取れるようになっても、英語を読むことが大嫌いになってしまいます。

1.英文を読むたびクタクタに疲れる

読解の勉強をしないまま英語の長文読解に移ると、英文を読むたびクタクタに疲れてしまいます。

これについては英文法の記事で詳しく解説しました。

読解の勉強をしないまま英語の長文読解に移ると、英文を読むたびクタクタに疲れてしまいます。

なぜなら、英文の大まかな骨格が見えてこないからです。

英文法が苦手すぎた筆者が〈英検準1級&TOEIC785〉まで伸ばした勉強法とは?

↑英語の読解力は、英単語力と英文法力を掛け合わさった技術です。

英単語と英文法を勉強した後に、単語力と文法力を「掛け合わせる」プロセスである「読解の勉強」が必要になります。

なので「英文法の”読解での活かし方”」をスキップしてしまうと、英文法をスキップしたまま英単語だけで長文を読もうとする場合と共通した弊害(へいがい)に苛(さいな)まれるわけですね。

さらに同記事で、「なぜ読解で英文法を活かせないと、英文を読むたびにクタクタになるのか」もお伝えしています。↓

英文の大まかな骨格が見えないと、目に映る英単語や英熟語、全てを一つずつ訳していく必要があります。

その結果、全ての英単語や英熟語に集中力を使うので、英文一つ読むのもひと苦労で、読み終える頃にはクタクタに疲れてしまっているわけですね。

例えばマラソンでいうと、「どれだけ走れば良いのかわからない状態」だと、ペース配分もままならず普通よりドッと疲れてしまいますよね?それと同じことがいえます。

特にアカデミックな記事や社会的な文章だと、一文が長くなったり少し複雑になったりして、「知ってる英単語だらけなのに、文章として理解できない!」なんて事態に何度も陥(おちい)ってきました。

こんな状態で、英検やTOEICなどの試験のときだけ高い集中力と単語力でゴリ押しして、その度にグッタリと疲れ果ててしまっていたので、「出来るなら英語に触れたくない……(読むたびにグッタリ疲れてしまうから)」なんて状態でした。(「普段から英語に触れる」なんて夢のまた夢でしたね汗)

このように、高校英文法をサボっていると、英文を読むたびにクタクタに疲れ果ててしまうという弊害(へいがい)があります。

英文法が苦手すぎた筆者が〈英検準1級&TOEIC785〉まで伸ばした勉強法とは?

↑要約すると、「英文法を読解で活かせないと、英文の骨格がわからないので、英単語ひとつひとつを訳していくハメになるので、訳すころにはクタクタになってしまう。」といった感じです。

2.英文を読むのがとても遅くなる

読解の練習をしないままだと、英文を読むのがとても遅くなります。

なぜなら、英語を英語のまま理解する力が養われにくくなるからです。

読解の勉強をスキップすると、以下のことが起きます。

  1. 英文の骨格をつかめない
  2. 返り読みが頻発する

1.英文の骨格がつかめない

1.の「英文の骨格をつかめない」については、前項「英文を読むたびにクタクタに疲れてしまう」でお伝えした理由と重なる部分が多いです。

英文の骨格が分かれば、どこからどこまでを「ひとまとまり」で理解すれば良いかがわかるのでスムーズに意味を理解しやすいです。

対して英文の骨格がつかめずにいると、英文を頭からピリオドまでひとつずつ訳すハメになります。

その結果、英単語を一言一句漏らさずに目を通すハメになるので読むスピードにグッとブレーキがかかるわけです。

2.返り読みが頻発する

読解の練習をしないままだと「返り読み」が頻発して読むスピードにグンとブレーキがかかります。

「返り読み」とは、英文を文頭からピリオドまで読んでから、頭の中で日本語に直すためにもう一度英文を読みなおす行為を指します。

学校英語でもこの手法を用いて日本語に直したりしますが、長文を読む際に毎回返り読みをしていると、読むスピードが遅くなるだけではなく、英語の意味を理解するまでの工数が多くなるので疲れてしまいます。

3.単語がほぼわかっても、英文の意味を理解できない

読解の勉強をスキップしたままだと、「英単語はほぼ(90%以上)知ってるのに、文章全体の意味が全然わからない……」という事態に陥(おちい)ります。

この事実には僕もめちゃくちゃ驚きました。

「英文法なんてわからなくても、英単語が全部わかれば問題ないぜ!」と本気で信じ込んでいたからです。

確かに英単語力が高ければ、英文を読むスピードも正確さも格段に増します。

しかし英文読解の勉強をしていないと、少し英文が複雑になっただけで意味を理解できなくなります。

「え?英単語の意味がほぼ(90%程度)わかって、英語の意味がわからないなんてことがあるの?」と思うかもしれませんね?(僕がそうでした笑)

これについては、実際に少し複雑な構造をした英文を読んでみるとわかります。

「難しい英文」と聞くと、「専門用語や社会性の高い英単語が使われた英文」をイメージするかもしれません。

しかし、例えば大学受験英語や英検の上位級などでは、レベルが上がるほど「英単語は簡単なのに、文章全体の意味がわからない」ことの方が多くなります。

読解の勉強をすると……?

読解の勉強をすると、英文を読むスピードと正確さを同時に養うことができます。

なぜなら、英文の骨格やまとまりを適切につかみ、たとえ長い一文でも、少ない集中力で正確に意味を理解できるようになるからです。

1.英文を読むスピードが上がる

英文を読むスピードは、「英語を英語のまま理解する」力が養われることで格段にスピードが増します。

英文を読む → 日本語に直す
↑この「→」の工程で、私たちの想像以上にめちゃくちゃ時間と体力を使ってしまってるわけです。

読解の方法を学ぶことで、英文を理解する際に頭の中で日本語を挟まなくなるため、文章を処理するスピードが格段に上がるわけですね。

2.英文を正確に読めるようになる

読解の勉強をすることで英文を読む正確さも養われます。

英文構造の骨格を理解する力がつくので、「英文の中の、どの”まとまり”が、どんなことを言っているのか」を理解する力が養われるからです。

読解の勉強で「読むスピードと正確さの両立」をした結果、多少複雑な英文もスラスラと読めるようになるので、日本語を読むのに近い感覚で英語を読めるようになります。

つまり、英語を読むのが大変じゃなくなるわけです。むしろ「英語が読めるのが楽しい!」とさえ感じるようになれます。

そうなれば、もうあなたは他のどの英語ができる人材よりも、頭一つ抜けた優れた英語力を持っていることになりますよ。

英文読解の勉強 具体的に何をすれば良い?

さて、英文読解を勉強するメリットについてお伝えしたところで、「じゃあ、具体的に何をすれば良いの?」とお思いの方もいらっしゃることでしょう。

英文読解の勉強は、英文法と同じく参考書を使って「英語の読み方を学ぶ」と良いでしょう。

学んだ英文法がどんな形で長文の読解に活かされるのかを丁寧にわかりやすく解説してもらうことが目的です。

それでは、「英語は英単語がわかれば読める!」と信じて長文読解の勉強をスキップし、TOEICでハイスコアを取っても英語の仕事を貰っても英語が嫌いになってしまった僕を救った「英文読解、英文解釈」の参考書を紹介します。

英語の長文読解が得意になるためのおすすめ参考書

まずは英語の長文読解を「学び始める」のに最適な参考書を紹介します。

「学び始める」とは言っても、人によってはこれから紹介する参考書”だけ”で目標を達成してしまうかもしれません。

なぜなら、本項で紹介する参考書をこなせば、TOEICで言えば700点レベルの読解力が身に着くからです。

日本人の英語学習者の多くにとっては、「それだけの英語力が身に着けば十分だ!」と言われてもおかしくない読解力が身に着くポテンシャルを持った参考書なので、ぜひ参考にしてください。


↑ 「英文読解入門 基本はここだ」は、”入門”と名前が付いているように、0から英文読解を学べる内容になっています。

たとえば、「使われている英単語はすべて中学レベル、長さも10語に満たない英文なのに、なぜか読みづらい」、そんな英文を見たことはないでしょうか?

「英文読解入門 基本はここだ」では、なぜそのような英文が「読みづらい」と感じるのか、そして「どんな思考回路で読めば、読みづらい英文をすんなりと読めるようになるか」が丁寧に解説されています。

また、本のボリュームも非常にコンパクトで、ページ数も150ページ程度で薄め、とても挫折をしにくく取っつきやすい一冊です。

そんな薄さながら、この1冊を実践して手にする英文の読解力は凄まじいです。

「英文読解の最初の1冊」で、なおかつ「長文読解が得意になる」、そんな一冊だと胸を張っておすすめできる一冊です。


↑「基礎100」の愛称で知られる英文読解の参考書です。

その名の通り、英文読解がスムーズになるための技術が100個掲載されています。

この参考書の優れている点は、「収録されている読解技術レベルの範囲の広さ」にあります。

長文読解を始めて間もない段階から、難関大学レベルの英語の長文を読めるようになるまでの範囲を、この1冊でまかなうことができるわけです。

先述の「英文読解入門 基本はここだ!」と比べるとボリュームは多めですが、その分「大学受験やTOEICの英文読解はこれ一冊で十分」と言えるだけの質が伴っています。

この1冊を理解する頃には、英語を得意とする社会人の中でも、頭一つ抜けた読解力を得ているでしょう。

参考書が終わったら?

お伝えした参考書を3周程度周回したら、いよいよ問題集や過去問を使って読解の「練習」に入りましょう。

たとえばTOEICのスコアアップを目的を目的としているならTOEICの過去問or模試、英字新聞を読めるようになりたいのであれば日本の新聞社が発行している英文の解説がついた英字新聞を使うのがおすすめです。

模試や問題集の英文を使って、以下の練習をするのがおすすめです。

おすすめの読解練習
精読→音読のサイクル

精読

精読とは、英文をじっくりと分析して文構造をキッチリと把握することを指します。

英文を分析するのに時間をかけるので「読むスピードを上げる目的に合致しないじゃん!」と思われるかもしれませんが、練習の段階でしっかりと文構造を理解することで、本番の試験などで、「あぁ、このパターンは見たことあるな」という経験になるわけです。

すると、英文を読んでいる途中に「あぁ、このパターンの構文はこうなってるから、こういう訳文になりそうだな」と内容を予測できるようになります。

英文の訳文のパターンを予測できるようになる分、スピーディに読む手助けになるわけですね。

音読

精読で培った読解力を、今度は音読で活かしましょう。

ただ何も考えずに英文を読むのではなく、自分が英文を読むスピードで意味を理解していく意識が大切です。

英文を読むスピードで意味を理解するには、英語を英語の語順のまま理解しなければ絶対に追いつきません。

「返り読み」をするヒマがないというわけですね。

そこで「精読」で培った「英文の骨格パターンからの予測」が役に立つわけです。

読解力を維持する最適な教材

「部活に力を入れてたけど、テスト期間でブランク空いたら全然できなくなってた……」

そんな経験はありませんか?

英語の勉強でもこれは大いに起こります。

語学留学を終えた英語ペラペラの人が、英会話力を落とさないために英会話教室に通うというのはよくある話です。

英語の読解にも同じことが言えます。

そんな「ひと山超えたけど、実力をキープしたい」タイミングにピッタリのテキストがこれです。↓

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速読英単語は、その名の通り単語帳なのですが、150語レベルの英文を読みながら英単語を覚えるというコンセプトで作られています。

元が英単語帳なので英単語力も養われますし、1日1テーマであれば負担にもなりづらいので、「読解力を維持したいときに最適な教材」だといえます。

ワンランク上の英文読解力が身に着く感覚とは?

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↑「ポレポレ」は東京大学や京都大学を受験する人の中でも、英語が得意で「得点源にしたい!」と考える人がやるようなハイレベルの参考書です。

「大学受験やTOEICを受験するなら、ここまでのレベルの参考書はやらなくてもいい」とも言われる参考書ですが、筆者はこの参考書でめちゃくちゃ救われました。

というのも、「英文は英単語の意味がわかれば、文法力が欠けてても読める!」と信じていたので、TOEIC700辺りまでは単語力のゴリ押しである程度ごまかせてしまう節があったわけです。

それが災いして、単語力だけで読むクセがついてしまい、英文読解の参考書を読んでいても正しいプロセスで読めなくなっていたんですね。

しかし、ポレポレは英文のレベルが高く、英単語のゴリ押しが全く通じない環境に強制的に身を置かせてくれました。

その結果、「知らない単語が多くても、文章全体の大まかな意味がわかる」という英文読解の上手い人の感覚にしてくれました。

それから、自分の英文読解力のリミッターが外れたような感覚で、英語を読むのがグッと楽になり、読める英文の幅がグンと広がったのを今でも覚えています。

「たいていの英文は読める」

そんな自信を与えてくれる参考書です。

 

0から上級レベルの英語を見に着ける勉強法をまとめた記事はこちら

「0からできるハイレベルな英語力の身につけ方」勉強法まとめ

2022年8月9日

英語を身に着けて「スマートな国際人」になる


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「0からでも、上級レベルの英語力」までのプロセスをお伝えしています。 英語を身に着けて、「スマート(知的)な国際人」になるのが目標。 なんとなくで英語を学ぶのに嫌気が差している方、TOEICのスコアなどでマウント取られてうんざりしてる方はブックマークをおすすめ。 高校で赤点まみれ不登校でしたが、大学受験英語模試で34/200→150/200まで上げました。 英米語学科卒、5か月間カナダへ公費交換留学、英文事務に2年間従事、英検準一級、TOEICは苦手ですが790まで上げました。